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  1. 3)西表島植物誌編纂事業Ⅲ
沖縄美ら島財団総合研究センター[美ら島研究センター]

亜熱帯性植物の調査研究

3)西表島植物誌編纂事業Ⅲ

赤井賢成*1

1. はじめに

平成30年度は、鹿児島大学との共同研究の締結を行うと共に、主に当財団以外の植物標本庫に収蔵されている西表島産の既往標本の調査と一部の分類群について再同定を行った。また、4回の現地調査を行った。さらに、第1回西表島植物誌編纂委員会を開催した。本報では、これらの結果について報告する。

2.既往標本の調査と同定

東京大学、京都大学、鹿児島大学および琉球大学が所蔵する標本のうち、西表島産の標本を中心に2,500点のDB化(ラベルデータの入力/標本画像取得)を完了した。また、小山研究顧問により、カヤツリグサ科とサルトリイバラ科の標本について同定が行われ、一部の分類学的に再検討の必要性がある種を除き、この2科については同定を完了した。

3.現地調査

4回の現地調査で34地点の希少植物の新たな自生地を確認すると共に、スズメノヒエ属1種類の未記載種とヒメミソハギ(西表島新産)を発見した。また、シソクサについては、日本と台湾で異なる学名を使用していることが判明し、今後検討が必要であることが判明した。さらに、次年度以降から西表島の山地の植物相調査を本格的に開始するにあたり、330か所のメッシュを作成した。

4.第1回西表島植物誌編纂委員会の開催

平成30年11月27日に首里城公園管理センター会議室において、第1回西表島植物誌編纂委員会(委員長1名、監修1名、編纂委員6名、協力委員3名から構成)を開催した。第1回編纂委員会では、①西表島植物誌編纂委員会設置要領、②編纂委員、協力委員および事務局の分掌、③植物誌編纂の目的、利用対象、④植物誌のレイアウト、⑤編纂手順、⑥工程、⑦執筆分担者、⑧今後の標本借用・閲覧・同定計画、⑨現地調査計画、⑩応募を検討する外部資金、⑪世界自然遺産登録に向けての支援方法等について協議が行われた。また、琉球大学と当財団がこれまでに実施した調査概要ついて報告された。

5.今後の展開

今後、東京大学、京都大学および琉球大学とも共同研究の締結を進めていく。また、標本DB化や現地調査を実施する人員の確保と許認可申請を行い、2023年に予定している西表島植物誌編纂に向けた具体的な取り組みを加速させていくと共に、外部資金の確保を目指す。

6.外部評価委員会コメント

日本最後の秘境といわれ、特異な植物相(生物相)の西表島の生物相の保護保存のため(世界自然遺産への登録も踏まえて)、この計画はタイムリーで非常に重要である。最も急がれることは西表島の今迄未踏査の部分での標本採集と同定である。フィールド調査植物コレクターの確保が鍵で急がれる(小山顧問:高知県立牧野植物園顧問)。


*1植物研究室

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