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ホーム総合研究センター平成27年度 事業年報 > 1)親子、子どもを対象にした各種教室の実施

沖縄美ら島財団総合研究センター[美ら島研究センター]

普及啓発の取り組み

1)親子、子どもを対象にした各種教室の実施

永田俊輔*1

1.はじめに

当財団では、蓄積されたノウハウや研究成果等を社会に広く発信し、多くの方々に亜熱帯性動植物に関する学習の機会を提供する普及啓発事業として、子どもから大人までを対象にした各種教室等を実施している。
平成27年度は、親子を対象にした「美ら海自然教室」、「美ら島自然教室」、「美ら島・美ら海こども工作室」の他に、平成27年度から活動を開始した「美ら島自然学校」を活用した小学生対象の学習会を開催した。海洋博公園等の外部施設で実施した分も併せて、以下に結果を報告する。

2.実施結果

1)美ら海自然教室(5事業)
図-1 ウミガメの産卵場所である砂浜の観察
図-1 ウミガメの産卵場所である砂浜の観察

美ら海自然教室は、主に親子を対象とし、沖縄の海生生物や自然環境の不思議や面白さを、室内実験や野外観察などの体験を通して学習した。

平成27年度は「クラゲたちの秘密を探る」、「サンゴの秘密を探る」、「ウミガメの秘密を探る」、「有孔虫の秘密を探る」、「サンゴ礁の磯観察」の5事業を開催し、90名の参加があった。

その中でも「クラゲたちの秘密を探る」、「サンゴの秘密を探る」、「ウミガメの秘密を探る」、「有孔虫の秘密を探る」の4事業では、生体や標本の観察や実験等を通して、それぞれの生物の形態や生態等の特徴を学習した。

また、「ウミガメの秘密を探る」では、ウミガメの産卵場所である砂浜に行き、野外環境を観察した。実際に現場で観察しながら、ウミガメの産卵の現状について解説を行ったことで、参加者にとって学習効果の高い講座となったようであった(実施後アンケートより)。

2)美ら島自然教室(3事業)

図-2図-2「雑草のひみつを探る」実施の様子
図-2「雑草のひみつを探る」実施の様子

美ら島自然教室は、主に親子を対象とし、沖縄の植物や昆虫、川の生き物等の陸生生物や自然環境について、の不思議や面白さを、室内実験や野外観察などの体験を通して学習した。

平成27年度は「沖縄の川の生き物学習会」、「クモの秘密を探る」、「雑草のひみつを探る」の3事業を開催し、52名の参加があった。

その中でも「雑草のひみつを探る」については、美ら島自然学校にて実施した。当施設敷地内グラウンド等に生育する雑草を教材として活用し、野外にて雑草を観察しながら形態や生態等の特徴を講師が解説した。参加者からは「これまであまり注目していなかった雑草にこんな特徴があったのかと驚いた。」といった意見をいただくなど、身近な環境に興味・関心を持っていただく機会を提供できたようであった。

3)美ら島・美ら海こども工作室(3事業)

図-3「水引で正月飾りをつくろう」実施の様子
図-3「水引で正月飾りをつくろう」実施の様子

美ら島・美ら海こども工作室は、主に親子を対象とし、沖縄で採取できる動物や植物由来の材料や、日常生活用品の廃材等を用いて様々な玩具等工作物を作製する事業である。工作物の作製過程で、動植物や自然環境の豊かさと活用法を学び、創造性を養うことを目的としている。

平成27年度は、「マングローブの実や種でクラフトをつくろう」、「水引で正月飾りをつくろう」、「カーブヤーを作って空に揚げよう」の3事業を開催し、47名の参加があった。

工作室は行事や季節性に合わせて開催した。その中でも「水引で正月飾りを作ろう」は、正月前の12月に開催した。参加者からは、自作した正月飾りを自宅に飾り、且つ、自宅でも正月飾りを作成したいといった意見があるなど、熱心に作製に取り組む様子が見受けられた。市販される正月飾りであるが、稲などの藁を自身で編み込み、水引の飾りを貼り付けるなどして、オリジナルの正月飾りの作製手順を学んだことは参加者にとって貴重な体験となったようであった。

4)美ら島自然学校における学習会(28事業)

図-4「美ら島自然学校 学習会」実施の様子
図-4「美ら島自然学校 学習会」実施の様子

美ら島自然学校における学習会(28事業)平成27年度から新たに、美ら島自然学校の施設や周辺の自然環境等を活用した学習会を実施した。

これらの学習会は主に小学生以上を対象として、夏休みの特別イベントである「自由研究の課題みつけ」や、「ウミガメ」、「イノーの生き物(※イノーとは、サンゴ礁で囲まれた浅い海のことを指す沖縄の方言)」、「漂着物」「砂」「地層」等をテーマに開催し、309名の参加があった。

その中でも「イノーの生き物」を題材にした学習会では、美ら島自然学校で野外観察のコツや注意点、生き物の特徴について解説した後、イノーの環境や生物について野外観察を行った。その際、気になった生き物や名前がわからない生き物等については採集し、自然学校内の実験室で水槽に入れて観察し、図鑑を使って種名や特徴等を調べた。このように、周囲の自然環境のほか、海水が入った水槽等の設備を活用した学習会を行えることが美ら島自然学校の強みである。

5)外部施設における教室の実施

国営公園管理部企画運営チーム、植物管理チームが主担当となり、海洋博公園内にて動植物に関する教室や工作室等を実施した。これらの実施内容の企画や講師を研究センターの職員が務めた。

また、8月1日、2日に沖縄コンベンションセンターで開催された「夏休みこども自由研究in沖縄コンベンションセンター2015」に出展した。主に小中学生を対象とし、沖縄の動植物や首里城の歴史文化、海洋文化等に関する展示解説を行い、夏休みの自由研究のヒントを紹介した。海洋文化に関する出展内容については、「海洋文化に関する普及啓発事業」の項目に記載する。なお、工作教室では、廃材を利用した「ジンベエザメの張り子作り」を実施し、120名の参加があった。

3.今後の展望

今後も、当財団職員が中心となって講師を務め、生き物の解剖や実験、顕微鏡を使った観察や野外観察、工作などの体験を交えた各種教室を企画・実施する。そして、親子でコミュニケーションを取りながら学べる親子向けの講座や、気づきのきっかけとなるような小学生以上の子ども向けの講座など、参加者のニーズに合った講座内容を検討し、学びの機会を提供していきたい。



*1 普及開発課

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