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沖縄美ら島財団総合研究センター[美ら島研究センター]

普及啓発の取り組み

5)沖縄こども環境調査隊2013

篠原礼乃*1・前田好美*1

1.はじめに

 沖縄こども環境調査隊は、沖縄の将来を担う子どもたちが環境問題の現場を訪ね、実際に見て、聞いて感じたことから学び取ったことを、新聞を中心としたマスメディアやシンポジウムの開催等により、情報を発信する学習ツアーである。調査隊員に選ばれた子どもたちが視察を行う過程で、「環境について自ら考え、行動する力を向上させる」ことを目的としている。沖縄タイムス社が主催し、当財団は共催として事業を行っており、今年度で5回目の実施となった。

2.事業内容

1)募集および応募状況

 平成25年4月15日(月)から5月24日(金)にかけて「わたしの環境問題」と題した作文による募集を行った(当初予定では5月17日を締切としていたが延長)。総応募者数は53名で、作文審査により26名を選考し、面接審査を行った。最終的に小学生4名、中学生4名の計8名を調査隊隊員として選抜した。

2)認証式、事前学習

①認証式

 6月29日(土)、認証式を行い、隊員が初めて顔を合わせた。認証式では沖縄タイムス社の比嘉局長および当財団の井口事務局長より、激励の言葉が贈られた。また、前年度のシンポジウム映像を視聴し、今後の活動内容について意識を高めた。認証式後にはオリエンテーションを行い、調査地での取材のポイントや現地の自然環境等について講義を行った。当財団からは、篠原礼乃(普及開発課長)による「沖縄・奄美の環境」と題した講義を行った。

②夏休み親子学習会

 7月20日(土)、「夏休み親子学習会」を沖縄県立名護青少年の家(名護市)において開催した。隊員及びその家族23名と一般募集により参加した親子36名の計59名が、約3時間半のプログラムに参加した。午前は「琉球の植物について」と題し、美ら島研究センターの阿部篤志(研究第二課係長)が講師を務め、沖縄の在来植物の現状と問題等について講演を行った。午後は、古網雅也・宮里大悟(県立名護青少年の家)の案内により、名護岳に自生する植物や生き物の観察を行った。

「夏休み親子学習会」終了後、隊員8名を対象とした講演「沖縄のウミガメ」を行った。講師を前田好美(普及開発課)が務め、ウミガメの生態や形態、沖縄島における産卵状況等に関する解説の後、生体を用いて形態観察を行った。

③野外学習

 7月27日(土)、沖縄島、特にやんばるの自然について学び、体感してもらうことを目的に、野外学習を行った。始めに国頭村のやんばる野生生物保護センター「ウフギー館」において、やんばるの生態系や外来種対策等について学習を行った。その後源河川に移動し、岡慎一郎(研究第一課)の案内により、沖縄の河川環境やリュウキュウアユの保護等について解説をうけた。

3)奄美大島視察

図-1 奄美パークで解説を受ける隊員
図-1 奄美パークで解説を受ける隊員
図-2 生き物を観察する隊員
図-2 生き物を観察する隊員

 7月30日(火)から8月2日(金)の日程で、奄美大島(鹿児島県)の現地視察を行った。現地で公募により選ばれた奄美こども環境調査隊の隊員5名と合流し、奄美大島の動植物について調査した。視察日程は表-1の通り。

現地調査には、当財団から前田好美(普及開発課)が同行し、隊員の健康及び安全面の管理、視察中の学習補助などを行った。

表-1 奄美大島視察日程

日付 内容
7/30(火) 那覇空港集合
出発式
奄美大島着(奄美こども環境調査隊合流)
奄美パーク視察およびレクチャー
夜間観察(住用近辺の森)
7/31(水) 奄美野生生物保護センターでレクチャー等
シュノーケリングにてサンゴ観察
夜間観察(ウミガメの孵化)
8/1(木) マングローブ群の観察(カヌー体験)
リュウキュウアユ生息地視察
懇親会
8/2(金) 沖縄・奄美こどもサミット(隊員同士の意見交換)
那覇空港着
解散式

4)企業視察

 本事業に賛同、ご協賛をいただいた企業の環境への取組みについて学ぶことを目的とし、8月7日(火)、8月10日(土)、8月24日(土)の日程で、企業視察を行った。視察先は沖縄海邦銀行本店(那覇市)、沖縄コカ・コーラボトリング(大保ダム)、環境ソリューション(沖縄市)、南西石油(西原町)で、それぞれの企業での取組みについての解説や、実際に環境保護活動に参加するなどした。

5)シンポジウム

図-3 シンポジウムで環境宣言を行う
図-3 シンポジウムで環境宣言を行う

 平成25年9月7日(土)、タイムスホール(那覇市久茂地)において「沖縄こども環境調査隊2013シンポジウム 地球の声を伝えよう~琉球弧の豊かな生物と自然の関わり~」が開催された。シンポジウムでは、調査隊員が事前学習から現地視察、企業訪問などを通して経験し、学び感じ取ったことをまとめて報告することを目的としている。当日の来場者数は、隊員の家族や関係者を含めて全148名であった。

始めに基調講演として、奄美大島で写真家として活躍する浜田太氏の講演「アマミノクロウサギから見えた琉球列島の自然の仕組み」が行われた。その後、沖縄と奄美大島の環境調査隊員による報告が行われ、自分自身の言葉で意見を発信した。シンポジウム終了後には、過去の調査隊員や協賛企業関係者も参加する懇親会を開催し、意見交換等を行った。

3.まとめ

 今年度は、視察先である奄美大島でもこども調査隊が結成され、初めて2地域の調査隊による現地調査およびシンポジウム開催となった。現地調査中だけではなく、シンポジウムでも改めてお互いの意見を交換することにより、隊員同士がより理解を深めていることが感じられた。

また、新たな企画として開催されたシンポジウム終了後の関係者懇親会では、過去の調査隊員(2009~2012年)も参加し、現隊員との交流を深めていた。年度ごとに活動が終了するのではなく、年1回、新旧隊員が集まる場を設定することで、隊員同士の繋がりができ、今後の活動に良い影響が生まれることが期待された。



*1 普及開発課

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